近年人気が高まっているパクチー。
好きな人は本当に好きで、サラダなどにびっくりするくらいたくさん盛る人もいますよね。
栄養が豊富で美容にもいいと言われるパクチーですが、あの独特の匂いから好き嫌いがとてもはっきり分かれる野菜でもありますよね。
あの匂いがどうしても耐えられないという人も多いと思います。
そのパクチーの匂い、実はあのカメムシの匂いと同じ成分であるという衝撃的な説を耳にしました。
確かにパクチーは和名ではカメムシ草と言いますし(本来はコエンドロという和名だそうですが、ほとんど使われていないそうです)、SNSなどでは「カメムシ臭い」という声も実際にあるようです。
好きな人にとっては、とてもショック…。
実際はどうなのか、調べてみました。
パクチーってどんな野菜?効果・効能は?
そもそもパクチーとはどんな野菜なのでしょう。
知っているようで知らない、パクチーの世界を見てみましょう。
パクチーってどんな野菜?
最近よく耳にする「パクチー」というのはタイ語での名前で、英語ではコリアンダー、中国語では香菜(シャンツァイ)と呼ばれています。
セリ科の植物です。
そういえば、日本で春になると出回るセリも爽やかな香りがしますね。
独特の強い香りを持つ生の葉が香味付けのためのハーブとして中東、アジア、南米などで利用されています。
一方、コリアンダーシードとして知られる種子の方は、甘みのあるほのかな柑橘系の穏やかな香りで、カレーの主要なスパイスであるほか、パイやケーキ、ビスケットといったお菓子にも用いられます。
また、実は葉よりも根の方が香りが強いそうです。
ドレッシングの風味付けに使われているほか、本場のタイでは、根を潰して調味料にしたり、肉団子の隠し味にしたり、根をよく使うそう。
パクチーの効果・効能
東南アジアのイメージが強いパクチーですが、原産地は意外にも地中海沿岸だそうです。
少なくとも2000年以上前にはすでに利用されていたといいますから、驚きですね。
医学の父と呼ばれる古代ギリシアのヒポクラテスが、パクチーに健胃作用や催眠作用があるとして用いていて、その薬効に注目していたようです。
現在でも、消化器官に働きかけ消化を促進したり、食欲不振にも効果があると言われています。
その他、口臭を予防したり、精神を安定させる効果があるそうです。
(参考)
・わかさ生活
・マスコットフーズ
・エスビー食品
パクチーの匂い成分はカメムシと同じ?
パクチーの匂い成分はカメムシと同じという説。
このちょっと衝撃的な説が本当なのか、調べてみました。
三重県のあるクリニックさんのホームページによると、科学的には、カメムシの匂いの成分は、
トランス-2-ヘキサナールとトランス-2-デセナール及びトランス-2-ヘプテナールなどのアルデヒド類
だそうです。
一方、パクチーの匂いの成分は、
(E)-2 – デセナール、(E)-2 – ウンデセナール、2 – ドデセナール、及び(E)-2 – テトラデセナール、などの鎖状アルデヒド化合物が含まれている事が明らかにされています。
また、ヘプタナール、(E)-2 – ヘキセナールとオクタナールは、新緑臭い臭い成分として報告されています。
とのこと。
素人には何だかよく分かりませんが、太字になっているところがカメムシとパクチーに共通する匂い成分だそう。
ヘキサナール、デセナール、ヘプテナールの3つの成分が共通していることになります。
なるほどやっぱりというべきか、同じ匂いの成分は含まれているんですね…。
(参考・引用元)医療法人 高見台クリニック
ただ、気になるのはすべての成分が同じというわけではない、ということ。
共通している成分があるだけで、似た匂いになるのでしょうか。
このことについて、東京大学薬学部教授の池谷裕二さんが、堀江貴文さんとの対談で次のように仰っています。
「よく調べると、カメムシの臭さとコリアンダーの匂いはちょっと物質が違うんですが、遺伝子の変化によって、その物質を同じ匂いとして受容してしまう人がいるんです。そうすると、コリアンダーがカメムシ臭く感じるんです。」
(引用元:ホリエモンドットコム)
また、ツイッターで次のようにつぶやかれています。
コリアンダー(香菜・パクチー)への好みは遺伝である程度決まっているそうです。この論文→ http://t.co/Do1HA4OR9y (味覚でなく嗅覚の遺伝子が決め手だったのが意外といえば意外です。確かに噛むとカメムシっぽい香がしますよね。私があの臭さが堪らなく好きです)
— 池谷裕二 (@yuji_ikegaya) 2014年12月22日
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つまり、共通した成分はあるけれども、まったく同じ匂いではない。
しかし、その人の遺伝子によってパクチーの匂いをカメムシの匂いとして受け取ってしまう人がいる、ということなんですね!
あれだけ好き嫌いがはっきり分かれるのも納得しますね!
実はパクチーの匂いが好きかどうかについて大きく分かれるのは日本だけではないそうで、欧米ではパクチーの匂いを石鹸の匂いと感じて拒否感を感じる人がいるそうです。
そしてそれもやはり、匂いを感知する遺伝子が影響しているよう…。
(参考):TOCANA
パクチーと遺伝子、なかなか奥の深い問題のようです。
まとめ
・パクチーとカメムシの匂い成分には、共通した成分があるが、まったく同じではない。
・パクチーの匂いをカメムシの匂いだと思うかどうかは、その人の遺伝子によって決まる。
パクチーとカメムシの匂いが同じなのでは、という衝撃的な話でしたが、パクチーがあれだけ好き嫌いがはっきり分かれる理由が分かったような気がします。
みなさんはどちらの遺伝子をお持ちですか?
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