処暑という言葉をご存知ですか?
最近ではなかなか聞きなれない言葉ですよね。
二十四節気の一つなのですが、どの時期の言葉かは「暑」の漢字からなんとなくわかるものの、詳しく知らない部分もありますね。
しかも、処暑は残暑見舞いとも関係があるらしいのです。
そこで今回は、処暑についてご紹介して行きたいと思います。
「処暑」の読み方と意味は?
「処暑」の読み方はわかりますか?
そのまま音読みで処暑(ショショ)と読みます。
「処」の字には「落ち着く」という意味があります。
つまり「暑さ」が落ち着いておさまるという意味になります。
処暑はいつ?
では処暑とはいつ頃を指すのでしょうか?
一般的には8月23日頃で、秋の二十四節気の第2にあたります。
二十四節気とは、地球から見て太陽が1年間に動く軌道(黄道)を24等分して(つまり1年を24等分して)、太陽がその位置に来る日に名前をつけたものです。
「処暑」は太陽が黄道150度の位置に来る日のことで、日付はその年によって違いますが大体8月23日頃にあたります。
また、その日から次の二十四節季の日までの時期もその名前で呼びます。
なので、「処暑」という言葉は処暑の日当日のほかに、「処暑」(8月23日頃)から次の二十四節気である「白露」(9月7日頃)までの期間のことも指します。
二十四節気については、以下のサイトに詳しく説明されているので、興味のある方は参考にしてください。
(出典:国立天文台 暦計算室「こよみ用語解説」)
(出典:暦Wiki 二十四節気とは?)
二十四節気はその年によって日付が変わります。
今年が何月何日に当たるのかは、次のページを参照してください。
処暑について、江戸時代に出版された「暦便覧」には、「陽気とどまりて、初めて退きやまむとすれば也」とあります。
つまり「暑さが峠を越えて、徐々に涼しくなっていく様」のことでしょう。
この時期は徐々に暑さも落ち着いてきます。
昼はまだ残暑で暑さが残っていますが、朝と夜はもう秋の気配を感じさせてくれる時期です。
昼と夜の寒暖の差が激しくなり、体調の管理も大変になります。
地方によっては秋の虫の声も聞こえてきたり、霜が降りたりすることもあるようです。
また、処暑は他の時期に比べて台風の襲来が多い時期と言われています。
処暑の時期の食べ物
処暑の時期に出回り始める食べ物を紹介します。
この時期から「秋刀魚(サンマ)」が取れ始めます。
この時期から秋にかけてが旬のサンマは脂が乗っていて美味しいですよね。
また地域によっては新米が出回り始めます。
秋の新米の時期よりも少し早いですが、この時期の新米は太陽をいっぱい浴びているので甘く美味しいです。
また、「秋茄子は嫁に食わすな」なんていう言葉がありますが、茄子(ナス)もこの時期旬を迎えおいしくなります。
炒めたり煮たりしてもおいしいですし、切ったものをそのまま焼いて生姜とお醤油でいただくと、茄子そのもののおいしさが十二分に味わえますね。
処暑払いとは?
暑気払いは実際にされている方も多いかと思いますが、「処暑払い」というのはご存知でしょうか?
昔、中国の貴族たちは、この時期に蓮の葉にお酒を注ぎ(中が空洞になっているため)茎を通してお酒を飲んで楽しんだそうです。
この行事を「処暑払い」といったそうです。
大きな蓮の葉と長い茎が象の鼻のようだったので、「象鼻杯(ぞうびはい)」という名前が付いて、日本でも各地で行われているそうですよ。
夏の水辺に咲く睡蓮は大変美しいですが、なんとも涼やかで優雅な行事ですね。
(出典:あきゅらいず)
処暑と残暑見舞いの関係は?「処暑の候」とは?
夏に暑中見舞いや残暑見舞いを送る人も多いかと思いますが、処暑は残暑見舞いと関係があるそうです。
どんな関係があるのか?
そしてこの時期手紙などで使われる「処暑の候」という言葉についてもみていきましょう。
残暑見舞い
暑気もおさまり始めた処暑の時期は、残暑見舞いを送る時期になります。
そこで暑中見舞いと残暑見舞いを送る時期についてみてみましょう。
まず暑中見舞いの時期について。
「暑中」は夏の1番暑い時期を指し、所説あるようですが二十四節気の「小暑」(7月7日頃)から「立秋」(8月7日頃)までが暑中見舞いを出す時期のようです。
ただ、一般的にはお盆(8月16日まで)までは暑中見舞いとする傾向もあるようです。
しかし、「立秋」を過ぎると暦の上では秋になるので、暑中見舞いはできれば「立秋」までに出した方がよさそうです。
そして残暑見舞いについて。
「残暑」は夏の1番暑い時期を過ぎて夏の暑さが残る時期を指し、こちらも所説あるようですが、「立秋」(8月7日頃)から「処暑」(8月23日頃)までが残暑見舞いを送る時期になります。
処暑の期間は9月までまたがりますが、残暑見舞いは8月中に送るのが一般的です。
以上を踏まえると、大体8月7日頃から8月31日までが残暑見舞いを送る時期、ということになります。
(出典:日本文化研究ブログ)
ちなみに、暑中見舞いや残暑見舞いの書き方を知りたい方は、このようなサイトを参考にすると良いでしょう。
(※同様のサイトは他にもあると思います。一例として挙げています。)
「処暑の候」
ハガキやお手紙などの文頭で、季節の挨拶として使う「時候の挨拶」というものがあります。
「処暑の候」(しょしょのこう)もその一つですが、季節の挨拶なので使える期間は限られています。
では、いつぐらいから使い始めて良いのでしょうか?
「処暑の候」の挨拶は、その年の処暑の日(大体8月23日頃)から使い始め、次の節気である「白露」(大体9月7日頃)の前日までに届く手紙で使えます。
(※正確な日付は上述の「国立天文台 暦要項」を参照ください)
ですので、大体8月23日から9月6日頃まで使える挨拶、ということになります。
文例としては、個人宛なら
「拝啓、処暑の候、〇〇様におかれましては、その後いかがお過ごしでしょうか。」
ビジネスでは
「処暑の候、貴社に置かれましては益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。」
というように使います。
まとめ
ここまで処暑について調べてまとめました。
処暑は暑さが落ち着いて秋の気配を感じさせる言葉です。
残暑見舞いを送るのもこの時期なのですね。
気候が変わりやすいこの時期ですから、体調も崩しやすくなります。
体を壊さぬよう処暑の気候の変化を楽しみたいですね。
コメント